statement

 

 

《話したくないこと 英語の勉強 布団を干す》ではひきこもりの弟や家族との身近な出来事を題材に、家族との関係性、日常生活のなかの恐怖や生きることの難しさを取り上げました。この作品と向き合っていたころに社会不安障害であることや、もろさ、傷つきやすさを自分でも抱えていたことがわかりました。それは努力してもなおせるものではないということがわかり、すべての行動に価値を感じられなくなる無気力な日々が続いたことがありました。その際、庭に植物を植えたことをきっかけに自分自身を修復していった過程を《受けとめきれない》としてかたちにしました。それからは実際に体に使っている傷の修復作用のある植物や蜜蝋などを素材として使い、誰かに言うほどでもないような見過ごされてしまいがちな小さな傷を拾い上げ、修復するための制作と活動を続けています。
こうした弱さを抱えていると日常生活、アーティストとしての活動もつらく苦しい場面があります。途方もない不安や恐怖を持っていても発話で伝えることができず見た目でも伝わりずらいその苦しみは、理解されないことも少なくありません。私たちにとってこの世界は簡単に生きていける世界ではないのです。それでも作品を通して少しずつ語ることはできます。語ることで弱さを認めて向き合い繊細さも豊かさの一部分として知り、だれかを許すことにも繋がります。実際に弟の存在は多くのことを許すきっかけを与えてくれました。
この弱さが生まれたこと弟がひきこもりになったこと、それにはきっと意味があるはずです。そう信じて模索し続けたいと思っています。明確な目的のためではなく、それは自分が生きるために必要なことだからです。