Exhibition
private / collective

2017.12.20 [Wed] – 25 [Mon]
10:00 – 18:00 (最終日のみ10:00 – 16:00)
入場は17:30まで (最終日のみ15:50まで)
横浜市民ギャラリー 展示室B1
http://ycag.yafjp.org/about/

榎本浩子、青山真也
企画:倉茂なつ子
協力:gsgpアートセンター準備室

 

private / collective(プライべート コレクティブ)では、個人的な視点から、またプライベートな問題から、現代社会を凝視るための試みを行います。

榎本浩子は、作家自身の、あるいは実弟や身近な人との関わり合いを通し、人の心理状態、また閉塞や干渉、親密といった人間間で生じる相互作用を絵画、ドローイング、映像、詩、写真など多様な媒体を用いて描いています。
群馬県立近代美術館(2017年)で発表した「透明になった労働者たち」では依存をテーマに、エヴァ・フェダー・キテイ『愛の労働 あるいは依存とケアの正義論』で語られる「だれもが相互依存をしており、その中でポイントとなるのは一方的な依存である」という視点から、社会における依存性を抽出し、その役割や関係性を可視化しました。

青山真也は、2014年より2020年東京オリンピックのための新国立競技場の建て替えによる、都営住宅の立ち退きに関しての記録撮影を行ってきました。
都営住宅に住んでいた住民の多くは高齢者であり、住み続けたいと願う者がほとんどでした。しかしながらその希望は届かず、住民たちは徐々に用意された次の住まいへと転居することとなり、2017年には住宅があった場所に新国立競技場建設の仮設事務所が建てられます。
この都営住宅は1964年東京オリンピックの際に建てられたものです。この際にも立ち退き問題は存在し、前回とこの度のオリンピックで二度立ち退いた住民も存在します。
青山は同じことが繰り返されている状況を指摘し、時には住民と話しながら、解体される前の都営住宅にて住民とともにイベントを行うなどしています。今回は、いくつかの記録を交えながら、排除と参加をテーマにオリンピックにおける住民の視点を映し出します。

個人的な問題は、たとえ身近な者同士であっても踏み込めないことが多々あります。プライベートな問題だからと切り離されてしまうことで、元の社会問題から遠い位置づけとなり、人間らしさとは何かという根底の問題が除外されることは多分にあります。個人的なことに焦点をあて、社会におけるひとつの関わり合い方として意識づけること。その必要性あるいは可能性を模索します。